レイヤー1とレイヤー2の違いとは?初心者向けにわかりやすく解説

レイヤー1とレイヤー2の違いとは?初心者向けにわかりやすく解説

この記事でわかること

  • レイヤー1・レイヤー2とは何か
  • なぜレイヤー2が必要なのか
  • レイヤー2の種類(Rollup・サイドチェーン・ステートチャネル)
  • 代表的なレイヤー2プロジェクト
  • レイヤー1とレイヤー2の使い分け
目次

レイヤー1・レイヤー2とは?

レイヤー1・レイヤー2とは?

レイヤー1(Layer1・L1)とは、ブロックチェーンの基盤となるメインネットワークのことです。Ethereum(イーサリアム)・Bitcoin(ビットコイン)・Solana(ソラナ)などがレイヤー1にあたります。すべての取引の最終記録はこのL1上に書き込まれます。

レイヤー2(Layer2・L2)とは、L1の上に構築された「拡張レイヤー」のことです。L1のセキュリティを借りながら、処理の大部分をL1の外で行うことで高速・低コストを実現します。Arbitrum(アービトラム)・Optimism(オプティミズム)・Polygon(ポリゴン)などがL2の代表例です。

「レイヤー(Layer)」とは層・階層という意味で、L1が土台の層、L2がその上に積み重ねた層というイメージです。

日常の例えで理解する

日常の例えで理解する

レイヤー1レイヤー2の関係は「新幹線と在来線」に例えることができます。

新幹線(L1)は非常に安全で信頼性が高く、長距離移動の基幹を担います。ただし運賃が高く、席数(処理能力)にも限りがあります。そこで在来線(L2)が日常的な短距離・近距離の移動を担い、低コストで多くの人を運びます。最終的な大きな移動記録(幹線ルート)は新幹線ネットワークに紐づいています。

L2を使うことで、高いセキュリティはL1に任せながら、日々の取引を速く安く処理できるようになります。

なぜレイヤー2が必要なのか|スケーラビリティ問題

なぜレイヤー2が必要なのか|スケーラビリティ問題

Ethereumは高いセキュリティと分散性を持つ優れたL1ですが、処理速度に限界があります。1秒あたり約15〜30件の取引しか処理できず、利用者が増えると混雑してガス代が急騰します。

これをスケーラビリティ問題と呼びます。スケーラビリティとは「規模が大きくなっても性能を維持できる能力」のことで、Ethereumはこの点で課題を抱えています。

VisaやMastercardなどの決済ネットワークは毎秒数万件を処理します。暗号資産が日常決済として使われるためには、現状の処理能力では到底追いつきません。

L2はこの問題を解決するために開発されました。処理の大部分をL1の外で行い、最終結果だけをL1に記録することで、L1のセキュリティを維持しながら処理速度を大幅に向上させます。

レイヤー1(L1)の特徴

レイヤー1(L1)の特徴

L1の最大の特徴はセキュリティと分散性の高さです。世界中の多数のノードがデータを保持・検証しているため、改ざんや攻撃に対して非常に強固です。

一方で処理速度の遅さと高いガス代が課題です。Bitcoin(ビットコイン)は約7TPS、Ethereum(イーサリアム)は約15〜30TPSと、大規模な普及には不十分な速度です。

また一度記録されたデータは変更不可能な確定性(ファイナリティ)を持ちます。これはセキュリティの高さと表裏一体の特性です。

代表的なL1チェーンとしてはEthereum(イーサリアム)・Bitcoin(ビットコイン)・Solana(ソラナ)・Avalanche(アバランチ)・Cardano(カルダノ)などがあります。

レイヤー2(L2)の特徴と種類

レイヤー2(L2)の特徴と種類

L2の最大の特徴は高速・低コストです。処理の大部分をL1の外で行うため、ガス代を大幅に削減しながら高いスループットを実現できます。

L2には主に以下の3種類があります。

Rollup(ロールアップ)は最も主流のL2技術です。多数の取引をまとめてL1に記録することで効率化します。Optimistic RollupとZK Rollupの2種類があります。

サイドチェーン(Sidechain)はL1とは独立して動く別のブロックチェーンで、ブリッジを通じてL1と接続します。独自のコンセンサスメカニズムを持つため、厳密にはL1のセキュリティに完全には依存していません。

ステートチャネル(State Channel)は参加者間で直接取引を行い、最終結果だけをL1に記録する仕組みです。BitcoinのLightning Network(ライトニングネットワーク)が代表例で、少額の高頻度決済に向いています。

Rollup(ロールアップ)とは

Rollup(ロールアップ)とは

現在最も注目されているL2技術がRollup(ロールアップ)です。「まとめる」という意味のとおり、多数の取引をL1の外でまとめて処理し、圧縮した結果だけをL1に書き込みます。

Rollup(ロールアップ)には2種類あります。

Optimistic Rollup(オプティミスティック・ロールアップ)は「取引はおそらく正しいだろう」という楽観的な前提で処理を進め、問題があれば異議申し立て期間中に検証する方式です。Arbitrum(アービトラム)やOptimism(オプティミズム)が採用しています。異議申し立て期間(約7日間)があるため、L1への資産引き出しに時間がかかるのが欠点です。

ZK Rollup(ゼロ知識ロールアップ)はゼロ知識証明という暗号技術を使って、取引の正しさを数学的に証明する方式です。zkSync(ジーケーシンク)・StarkNet(スタークネット)が採用しています。証明が即座に検証できるため引き出し時間が短く、長期的にはOptimistic Rollupより優れた方式とされていますが、技術的な複雑さが課題です。

EthereumのL2エコシステムの全体像は、Ethereum公式サイト(日本語)でも詳しく解説されています。

📌 補足コラム|レイヤー3(L3)という概念も登場している

レイヤー3(L3)という概念も登場している

近年はL2のさらに上に構築されるレイヤー3(L3)という概念も登場しています。L2が汎用的な処理を担うのに対し、L3は特定のアプリケーションや用途に特化した処理レイヤーとして設計されます。ゲームや特定のDeFiアプリケーションなど、さらに高速・低コストが求められる用途向けのソリューションとして研究・開発が進んでいます。ブロックチェーンの階層構造はL1・L2だけでなく、さらに複雑に発展しつつあります。

L3とは何か

L3とはL2を基盤として、その上にさらに特定の用途に特化した処理レイヤーを追加したものです。L1が「国道」、L2が「県道」だとすれば、L3は「私有地内の専用道路」にあたります。特定のアプリケーションや企業が独自のルールで運用できる、より柔軟な層です。

なぜL3が必要なのか

L2は汎用的な処理を担いますが、特定のゲーム・金融アプリ・企業システムにとっては、さらに低いガス代・独自のルール・プライバシー保護が必要なケースがあります。L3はこうした「アプリケーション特化」の需要に応えるために開発されています。

L3の具体的な事例

Arbitrum(アービトラム)が提供するOrbit(オービット)はL3構築のためのフレームワークです。企業や開発者が独自のL3チェーンをArbitrum(L2)の上に立ち上げられる仕組みで、すでに複数のプロジェクトが活用しています。

またEthereum財団のVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏もL3の意義について論文で言及しており、「L2がスケーラビリティを、L3がカスタマイズ性を担う」という役割分担を提唱しています。詳細は、Vitalik氏のブログ(英語)で読むことができます。

L1・L2・L3の役割まとめ

レイヤー主な役割特徴
L1セキュリティ・最終記録高い安全性・低速・高コスト
L2汎用的な処理の高速化中程度の速度・低コスト
L3アプリ特化の処理超高速・超低コスト・カスタマイズ性高

ブロックチェーンの階層構造はL1・L2だけでなく、さらに複雑に発展しつつあります。暗号資産のインフラは今まさに急速な進化の過程にあります。

代表的なレイヤー2プロジェクト

代表的なレイヤー2プロジェクト

各L2プロジェクトのガス代やTVL(総ロック価値)は、L2BEATでリアルタイムに確認できます。L2選びの参考にしてください。

プロジェクト種類対応L1特徴
Arbitrum(アービトラム)Optimistic RollupEthereum最大のL2エコシステム
Optimism(オプティミズム)Optimistic RollupEthereumシンプルな設計・OP Stackが人気
zkSync(ジーケーシンク)ZK RollupEthereum高速引き出し・スケーラブル
Polygon(ポリゴン)サイドチェーン+ZKEthereum最も普及したL2のひとつ
Lightning NetworkステートチャネルBitcoinBTC決済の高速化
Base(ベース)Optimistic RollupEthereumCoinbaseが開発・普及急拡大

レイヤー1とレイヤー2の使い分け

レイヤー1とレイヤー2の使い分け

L1とL2はどちらが優れているということではなく、用途に応じて使い分けるものです。

大きな金額の送金・長期保管・最高水準のセキュリティが必要な場合はL1が適しています。日常的な少額取引・DeFiの操作・NFTの購入など、速さとコストを重視する場合はL2が向いています。

また初めて暗号資産を触る場合は、まずL1(Ethereum本体)の仕組みを理解してからL2に移行するのがおすすめです。L2はL1の概念を理解していないと設定ミスや資産の取り違えが起きやすいため注意が必要です。

よくある質問

L2に移した資産はL1に戻せますか?

はい、ブリッジという仕組みを使ってL1に資産を戻すことができます。ただしOptimistic Rollupでは引き出しに最大7日程度かかる場合があります。ZK RollupやサイドチェーンはL1への引き出しが速い傾向があります。

L2はL1より安全性が低いですか?

Rollup系のL2はL1のセキュリティに依存しているため、L1と同等に近いセキュリティを持つとされています。ただしL2のスマートコントラクト自体のバグ・ブリッジのハッキングリスクなど、L2固有のリスクも存在します。サイドチェーンはL1のセキュリティに完全には依存しないため、Rollupよりリスクが高いと見られることがあります。

SolanaはL2ですか?

いいえ、Solana(ソラナ)はL1です。Ethereumとは独立した独自のブロックチェーンで、Ethereumのセキュリティには依存していません。高速・低コストを実現していますが、それはL2技術ではなく独自のコンセンサスメカニズム(PoH)によるものです。

PolygonはL1ですか?L2ですか?

Polygonは厳密にはサイドチェーンであり、Ethereumとは独立したコンセンサスメカニズムを持ちます。ただし一般的にはEthereumのL2エコシステムの一部として語られることが多く、Polygon自身もZK Rollup技術を積極的に開発しています。L1・L2の境界が曖昧なプロジェクトのひとつです。

まとめ

レイヤー1レイヤー2の違いは、一言で言えば「土台と拡張レーン」の関係です。

L1はセキュリティと分散性の高い基盤チェーンで、すべての最終記録を担います。L2はL1の上に構築され、高速・低コストで処理を行いながら最終結果だけをL1に記録します。

現在最も注目されているL2技術はRollupで、Optimistic RollupとZK Rollupの2種類があります。暗号資産の日常的な利用が広まるにつれ、L2の重要性はますます高まっています。

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免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産への投資を推奨するものではありません。暗号資産への投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。また、税務・法律に関するご相談は、専門家(税理士・弁護士)にお問い合わせください。本記事の情報は執筆時点のものであり、最新情報を保証するものではありません。

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