この記事でわかること
- 暗号資産の大きく3つの分類
- ビットコイン・アルトコイン・ステーブルコインそれぞれの特徴
- 代表的な銘柄一覧
- 初心者はどれから学べばいいか
暗号資産の種類はどう分類されるのか

現在、世界には数千〜数万種類の暗号資産が存在します。これだけ多いと「どれがどう違うのか」と混乱してしまいますが、大きく分けると以下の3種類に整理できます。
上の図のとおり、暗号資産はBitcoin(ビットコイン)・Altcoin(アルトコイン)・Stablecoin(ステーブルコイン)の3つに大別されます。それぞれ目的・特徴・リスクが異なります。
Bitcoin(ビットコイン)|暗号資産の王様

Bitcoin(ビットコイン)は2009年に誕生した世界初の暗号資産です。現在も暗号資産市場全体の時価総額の約40〜50%を占める最大の存在で、「暗号資産の王様」とも呼ばれます。
ビットコインの主な役割は価値の保存です。金(ゴールド)のように「デジタルゴールド」とも呼ばれ、発行上限2,100万枚という希少性が価値の裏付けになっています。
決済手段としても使えますが、処理速度の限界や価格変動の大きさから、現時点では「持っておく資産」としての側面が強い存在です。
Altcoin(アルトコイン)|ビットコイン以外すべて

Altcoin(アルトコイン)とは、ビットコイン以外のすべての暗号資産の総称です。「Alternative Coin(代替コイン)」の略で、現在数千〜数万種類が存在します。
アルトコインはビットコインの課題(処理速度・機能の少なさなど)を改善しようとしたり、全く新しい用途を実現しようとしたりして誕生したものがほとんどです。DeFi(分散型金融)・NFT・スマートコントラクトといった機能を持つものが多く、「使うための暗号資産」としての性格が強いです。
アルトコインの種類

アルトコインは大きく5つのカテゴリーに分類できます。
① プラットフォーム系|最も重要なカテゴリー
スマートコントラクトを動かすための「土台」となるブロックチェーンのネイティブトークンです。アルトコインの中で最も時価総額が大きく、信頼性も高いカテゴリーです。
Ethereum(イーサリアム・ETH) はDeFi・NFT・スマートコントラクトの中心的な基盤で、アルトコインの王様とも言える存在です。Solana(ソラナ・SOL) は処理速度が非常に速く手数料が安いことで人気を集めています。Cardano(カルダノ・ADA) は学術研究をベースに設計された高機能チェーンです。Avalanche(アバランチ・AVAX) はサブネットという独自の仕組みで高速処理を実現しています。
② 送金・決済系|実用性重視
国際送金や決済の効率化を目的とした暗号資産です。ビットコインより速く安く送金できることが特徴です。
XRP(エックスアールピー) はRipple(リップル)社が開発し、銀行間の国際送金コスト削減を目的としています。XLM(ステラルーメン) は個人間の国際送金に特化しています。LTC(ライトコイン) はビットコインを軽量化した「銀のビットコイン」とも呼ばれます。
③ DeFi・ガバナンス系|分散型金融の中核
分散型取引所(DEX)や貸し借りプロトコルなど、DeFiサービスのガバナンス(運営参加)や手数料支払いに使われるトークンです。
UNI(ユニスワップ) は最大のDEXであるUniswapのガバナンストークンです。AAVE(アーベ) は分散型レンディングプロトコルのトークンです。MKR(メーカー) はステーブルコインDAIを管理するMakerDAOのガバナンストークンです。
④ プライバシー系|匿名性に特化
取引の匿名性・プライバシー保護を最優先に設計された暗号資産です。送金者・受取人・金額が外部から見えないようにする技術を使っています。
Monero(モネロ・XMR) はプライバシー保護が最も強力とされる代表格です。ただし匿名性の高さから規制当局に警戒されており、日本の取引所ではほぼ取り扱いがありません。
⑤ ミームコイン|投機色が最も強い
特定の技術的な用途より、インターネットのミーム(ジョーク・流行)や話題性を背景に生まれた暗号資産です。リスクが最も高いカテゴリーです。
Dogecoin(ドージコイン・DOGE) は柴犬のミームから生まれた元祖ミームコインで、イーロン・マスク氏の発言で何度も価格が急騰しました。Shiba Inu(シバイヌ・SHIB) はDOGEのライバルとして登場し、一時期爆発的な人気を集めました。
どのカテゴリーから学べばいいか
初心者にはプラットフォーム系、特にEthereum(イーサリアム)から学ぶことをおすすめします。 DeFi・NFT・スマートコントラクトなど暗号資産のほとんどの応用技術がイーサリアム上で動いており、イーサリアムを理解することで暗号資産全体の見通しが大きく広がります。
ミームコインは価格変動が極端で、プロジェクトの実態がほぼない場合も多いため、暗号資産の基礎を理解してから慎重に判断することが大切です。
代表的なアルトコイン一覧
| 銘柄 | ティッカー | 特徴 |
|---|---|---|
| Ethereum(イーサリアム) | ETH | スマートコントラクトの基盤。DeFi・NFTの中心 |
| Solana(ソラナ) | SOL | 高速・低コストのブロックチェーン |
| XRP(エックスアールピー) | XRP | 国際送金に特化。Ripple社が開発 |
| Cardano(カルダノ) | ADA | 学術研究ベースで設計された高機能チェーン |
| Avalanche(アバランチ) | AVAX | 高速処理とサブネット機能が特徴 |
| Dogecoin(ドージコイン) | DOGE | ミームコインの代表格。SNSで人気 |
| Polkadot(ポルカドット) | DOT | 複数チェーンをつなぐ相互運用性に特化 |
アルトコインはビットコインより価格変動が大きく、プロジェクトが失敗するリスクもあります。一方で成長すれば大きなリターンが得られる可能性もあります。
ビットコインとアルトコインの違い

一番大きな違いは「目的」
ビットコインは「デジタルゴールド」として価値を保存することが主な目的です。新しい機能を追加するよりも、シンプルで安全であることを最優先に設計されています。
アルトコインの多くは「何かをするための道具」として設計されています。Ethereum(イーサリアム)はスマートコントラクトを動かすプラットフォーム、Solana(ソラナ)は高速取引の基盤、XRP(エックスアールピー)は国際送金の効率化というように、それぞれ具体的な用途があります。
ビットコインが「基軸」である理由
暗号資産市場ではビットコインが市場全体のベンチマーク(基準)として機能しています。
ビットコインの価格が上がると市場全体が上がりやすく、下がると市場全体が引きずられて下がる傾向があります。この現象を「ビットコイン相関」と呼びます。アルトコインへの投資を考える際も、まずビットコインの動向を見るのが基本です。
アルトコインの「アップサイドとリスク」
アルトコインはビットコインより大きなリターンを狙える反面、リスクも格段に高くなります。
過去には1年で数十〜数百倍になったアルトコインも存在します。一方で開発が止まった・詐欺だった・競合に負けたなどの理由でほぼゼロになったアルトコインも無数にあります。「宝くじ的な性格」が強いと言えます。
ビットコイン・ドミナンスを見ると市場のムードがわかる
ビットコイン・ドミナンスとは、暗号資産市場全体の時価総額のうちビットコインが占める割合のことです。
ドミナンスが高い(50%以上)→ 投資家がリスク回避でビットコインに集中している状態です。ドミナンスが低い(40%以下)→ 投資家がアルトコインに積極的に資金を移している「アルトシーズン」の可能性があります。
まとめると
ビットコインは「実績・安定性・流動性」を重視する人向け、アルトコインは「大きなリターンと引き換えに高いリスクを取れる人」向けと整理できます。初心者はまずビットコインの仕組みを理解してから、個別のアルトコインを学ぶ順番がおすすめです。
Stablecoin(ステーブルコイン)|価格が安定した暗号資産

Stablecoin(ステーブルコイン)とは、価格が安定するよう設計された暗号資産です。多くは米ドルなどの法定通貨と1対1で価値が連動しており、「1枚=1ドル」を維持するよう設計されています。
「暗号資産なのに価格が変わらないなら意味があるの?」と思うかもしれません。ステーブルコインの価値は価格上昇ではなく使い勝手にあります。暗号資産市場での取引・DeFiでの運用・国際送金などの場面で、価格変動リスクなしに暗号資産の利便性を活用できます。
代表的なステーブルコインは以下のとおりです。
| 銘柄 | 発行体 | 特徴 |
|---|---|---|
| USDT(テザー) | Tether社 | 最大の流通量。取引所で広く使われる |
| USDC(USDコイン) | Circle社 | 透明性が高く機関投資家にも人気 |
| DAI(ダイ) | MakerDAO | 分散型。暗号資産を担保に発行 |
| JPYC(JPYコイン) | JPYC社 | 日本円連動のステーブルコイン |
ステーブルコインとは
ステーブルコイン(Stablecoin)とは、価格が安定するよう設計された暗号資産のことです。「Stable(安定した)」+「Coin(コイン)」という名前のとおり、ビットコインやアルトコインのような大きな価格変動がないことが最大の特徴です。

なぜ「価格が安定」しているのか
ビットコインの価格が乱高下する理由は需要と供給のバランスが大きく変動するからです。ステーブルコインはこの問題を「何かに価値を連動させる」ことで解決しています。
多くのステーブルコインは1枚=1米ドルになるよう設計されており、上の図のとおり大きく3つの仕組みで安定性を維持しています。
① 法定通貨担保型|最も普及
銀行に実際のドルを預けて、その分だけステーブルコインを発行する仕組みです。1ドル預ければ1USDT発行という単純明快な構造が信頼性の高さにつながっています。USDT(テザー)とUSDC(USDコイン)が代表格で、暗号資産市場で最も流通しています。ただし発行体企業への信頼に依存するという中央集権的な側面があります。
② 暗号資産担保型|分散性が高い
ETHなどの暗号資産を担保にしてステーブルコインを発行する仕組みです。担保の価格が下がっても1ドルを維持できるよう、150〜200%の過剰担保で設計されています。DAI(ダイ)が代表格で、スマートコントラクトで自動管理されるため特定の管理者がいません。
③ アルゴリズム型|最もリスクが高い
担保を持たず、アルゴリズム(プログラム)によって需給を調整して価格を維持しようとする仕組みです。2022年にTerraUSD(UST)が崩壊し、数兆円規模の損失が発生した事件は記憶に新しく、このカテゴリーのリスクの高さを世界に示しました。
ステーブルコインの主な使い道
価格が安定しているため「暗号資産市場の中の避難場所」として機能します。相場が荒れているときにビットコインを売ってUSDTに換えておくことで、価格下落リスクを避けながら暗号資産市場にとどまることができます。またDeFiでの運用・国際送金・取引所間の資金移動にも広く使われています。
3種類のリスクの違い

| ビットコイン | アルトコイン | ステーブルコイン | |
|---|---|---|---|
| 価格変動リスク | 大きい | 非常に大きい | ほぼなし |
| プロジェクトリスク | 低い | 高い(消滅もある) | 中程度 |
| 流動性 | 非常に高い | 銘柄による | 高い |
| リターンの可能性 | 中〜高 | 低〜非常に高 | ほぼなし |
| 初心者向け度 | 比較的高い | 低い | 高い(保管用途) |
初心者はどれから学べばいいか
初めて暗号資産を学ぶ方には、まずビットコインから理解することを強くおすすめします。
ビットコインは暗号資産の原点であり、最も情報が多く、最も歴史があります。ビットコインの仕組みを理解することで、他の暗号資産との違いや共通点も自然とわかるようになります。
ステーブルコインはDeFiを始める際の「入口」として理解しておくと役立ちます。アルトコインは暗号資産全体の仕組みを理解してから、個別に深掘りしていくのが安全です。
まとめ
暗号資産の種類は大きく3つに分類されます。
ビットコインは「価値の保存」を目的とした暗号資産の代表格です。アルトコインはビットコイン以外のすべてで、DeFi・NFT・スマートコントラクトなど多様な用途を持ちます。ステーブルコインは価格が安定しており、決済・運用の手段として使われます。
それぞれ特徴・用途・リスクが異なるため、目的に合わせて正しく使い分けることが大切です。
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産への投資を推奨するものではありません。暗号資産への投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。また、税務・法律に関するご相談は、専門家(税理士・弁護士)にお問い合わせください。本記事の情報は執筆時点のものであり、最新情報を保証するものではありません。

